宝石
宝石の種類は人によって細工されていない「天然宝石」・天然宝石にエンハンスメント(改良)やトリートメント(改変)が加えられたものを「処理宝石」・科学的に作りだされた宝石「合成宝石」・ガラスやプラスチックなどを使用して天然宝石に似せたもの「模造宝石」などがあります。宝石にはその石特有の美しさを最大限に魅せるためのカットの仕方がそれぞれあります。第行的などがダイヤモンドの研磨方式のブリリアントカット。すべて58面体で光がすべて内部で屈折して上部から放たれるように設計されれています。カボッションカットは石を丸い山型に整えて光の反射でなく石そのものの光沢感を楽しむカットの仕方です。ヒスイやトルコ石などの不透明の石に施されます。透明の石にもキャッツアイ効果やスター効果(ルビー)などを楽しむ場合にカットされる場合があります。マーキスカットは楕円で量はしをとがらせたカットの仕方です。動植物(羽や葉や花ビラ))をモチーフにしたアクセサリーに使わることがあります。
モース硬度とヌープ硬度で表されます。
モース硬度は1〜10の整数で表されます。一番硬い10はダイヤモンド。地球上の鉱物の中で最も硬いとされています。9はコランダム。石英やトパーズに傷を付けることが出来ます。8はトパーズ。こすり合わせると石英に傷を付けます。7は石英。ガラスや鋼鉄、銅などに傷が付きます。6は正長石。ナイフで傷を付けられません。。5は燐灰石。ナイフでなんとか傷を付けることが出来ます。4蛍石。ナイフで簡単に傷つけられます。3は方解石。硬貨でなんとか傷を付けることが出来ます。2は石膏。爪で何とか傷を付けることが出来ます。1は滑石。最も柔らかい鉱物です。つるつるした手触り。
人の爪は約2.5 銅製の効果は3.5 ガラスは5 ナイフの刃は約5.5です。
ヌープ硬度は工業材料の硬さを表します。
モース硬度と違って一般的ではありませんがモース硬度より科学的数値的に硬度を図れる基準として採用されています。
咲きがダイアモンドの4角錐になってるヌープ硬度計で石を押し当てます。それでどのくらい跡がついたかで硬度を決めます。
圧痕表面積で試験荷重を割って計算します。
ダイヤモンドなどの質量を表す単位として1カラット200mgとされています。分量として1カラット=100ポイントとなっています。昔宝石の重さを表すのにイナゴマメと比べました。
キャッツアイ効果:光の効果の一つです。針状に淫くるージョンを持つ宝石を淫くるージョンに平行になるように磨くと宝石の表面に明るい光の筋が現れます。「シャトヤンシー」や「変彩効果」とも呼ばれています。
キャッツアイ効果を持つ石:クリソベリル・トルマリン・あばた糸・オパールなど
スター効果:2方向から3方向の平行に並んだルチルで淫くるージョンを持つ宝石を用意し、主石をカボッションカットに研磨します。半球形の表面がレンズのような働きをして石に当たった光がルチルに反射し光の筋が現れます。これをスター効果と言います。
スター効果が見られる石:ルビー・サファイア・ローズクォーツ・ガーネット
question::
最近「エンハンスメント」という言葉をよく聞きます。 これはどんな意味なのですか?
answer::
.「エンハンスメント」という言葉を最近耳にされたのなら、きっと、「トリートメント」という言葉もいっしょにお聞きになったのではないかと思います。 このふたつの言葉は、ともに、天然宝石の人工処理、に関係する言葉です。人工処理にはいろんな種類があります。 熱処理、放射線処理、オイル処理、染色などです。 熱処理にはいくつかあって、オイル処理にもタイプがあります。 それらの自的はすべて、宝石の美しさをより良くしたり、変えたりすることです。はじめて知るひとはびっくりするかもしれませんが、ルビーやサファイアを加熱して、色をより良くするという処理は、ずいぶん以前から行われてきたことです。 また、現在流通しているエメラルドのほとんどに、オイル処理が施されています。トリートメント(TREATMENT)は、直訳すると、処理、という意味です。 日本では、人工処理、と訳して、以前から使われていた言葉です。 人工処理という言葉は、天然宝石の人工処理すべてに対して使われていました。 言葉の本来の意味からすれば、例に挙けたルビーやサファイアの加熱処理、エメラルドのオイル処理なども、当然これに合まれます。 けれど、それらは、鑑定鑑別機関では天然宝石と表示され、天然宝石として流通していた訳です。
ユーザーの宝石に対する知的好奇心の高まりに連れ、鑑定鑑別の機関や宝石業者は、処理宝石とはいったい何なのかということを、消責者に向けて、もっと明確に提示する必要が生まれはじめました。 エンハンスメントという言葉は、これらの要請に従って、新しく導入された言葉です。エンハンスメント(ENHANCEMENT)とは、改良、を意味します。 天然宝石が本来もっている性質に沿い、それを損なうことのない範囲で、人工処理を施し、よりよい美しさを引き出そうとすること。 これが改良です。 改良は、定義上、トリートメント(人工処理)と明確に区別されます。 すると当然、いままで漠然としていたトリートメントの定義は、変え直されるべきでしょう。 つまり、天然宝石の性質に関係なく、人工処理を施し、美しさを変えようとすること。 これがトリートメント、宝石に対する人工処理の新しい定義です。
ルビーやサファイアの加熱処理は改良である、と考えられます。 たとえばサファイアの場合、酸化チタンが青色の原因になっています。 しかしこの着色元素(専門的にはそういいます)である酸化チタンは、石のなかで、針状に固まってしまっている場合があります。 これではいい青色は出せません。 そこでこれをたいへんな高温で加熱してやります。 すると酸化チタンは溶けて、着色元素としての働きをはじめます。 すると色の淡かったサファイアか、深く濃い色合いのサファイアに変わるのです。 (こういう処理を専門用語で内部拡散処理と云います)。これはたしかに人工処理ですが、天然サファイア本来の性質を変えた訳ではありません。 むしろその性質に沿って、自然がたまたまできなかったことを、人間がかわりにしたのです。 目的は美しくするためです。 変えられた色は永遠です。 これがエンハンスメント、改良です。 改良されたものは、天然石の性質をなんら変えるものではないので、天然石と同様に扱われます。 ほかには、アクアマリンやトパーズを加熱して色を良くしたものも、改良と考えられ、天然石と呼ばれます。 また、エメラルドの内部の亀裂に無色オイルをしみこませ、亀裂を目立たなくする、そうすることで色を良くするという処理も、改良と考えられます。
2010-07-26
いま例に挙けたエメラルドは、有色オイルを使って、処理される場合もあります。 目的は同じく、色を良くするためです。 しかし有色オイルを使うのは着色です。 それはエメラルドが本来もっている性質に関係なく、色を変化させることです。 これがトリートメント、人工処理です。 色の薄いサファイアを、合成配分された着色剤(チタンと鉄)の粉末といっしょに加熱処理して色を濃くする処理(表面拡散処理)や、染料を用いてひすいを染色する処理などもまた、トリートメントと見なされます。それらの処理石は、定義上、エンハンスメントと混同されることはありません。 鑑別書にはそれぞれ、処理エメラルド、処理サファイア、染色ひすいと明記され、天然石とははっきり区別されます。エンハンスメントという未知な言葉が急に入ってきて、いま、その言葉だけが独り歩きしているように思われます。 しかしそのいきさつと、内容はだいたい以上のようなことなのです。 おわかりのように、基本的には、以前となにも変わることはありません。 以前から、内部拡散処理のルビーやサファイア、無色のオイル処理を施されたエメラルドは、天然石として扱われていましたし、これからもそうです。 有色処理のエメラルドや表面拡散処理のサファイア、染色処理のひすいは、以前から処理石とされていましたし、これからもそうです。 混乱せずに、このことをはっきり認識してください。
重要なのは、人工処理とはなになのかということを、知ることです。 そのなかには、天然石として容認できるものとできないものがある、それを知ることです。
今回の一連の流れは、この点をクリアーに認識すべく、非常によい機会であったと思えます。
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